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【カラマツ鉢上げ作業のご紹介】
2025.05.30
【カラマツ鉢上げ作業のご紹介】
スプリットソイル®を充填した288穴セルトレイ(プラグトレイ)で育苗したカラマツの幼苗を、
**生分解性コンテナ「ビオコンテナ ZacHpr150s」**へ鉢上げしました。
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スプリットソイルとは?
ポリ乳酸とレーヨン繊維を束状にまとめ、ノーバインダーで円柱形に成形した、無菌かつ生分解性の環境配慮型素材です。
特性である「割ける」性質から、【割ける土=スプリットソイル】として商品化しました。
現在は、各サイズのセルトレイに充填した状態で販売しています。
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ZacHpr150sとは?
「pr」品番は、ポリ乳酸とレーヨン短繊維を混合したスパンレース不織布で構成され、生分解性の特性を有します。
ただし、それぞれの繊維の分解速度には違いがあります。
• ポリ乳酸繊維:吸水性はありません。
トウモロコシなどの澱粉を化学合成したバイオマスプラスティックです。
• レーヨン繊維:吸水性・放湿性に優れ、木材パルプなどを原料とした天然由来の繊維です。
土中ではまず、レーヨン繊維が速やかに劣化することで容器の強度が低下し、自然に崩壊します。
根の伸長への影響もほとんどないと考えています。
地上ではおおよそ1年間、形状を保持するよう設計されています。
写真や動画では、鉢上げ作業の様子や素材の質感、作業手順などをご覧いただけます。
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植え付け手順
1. 『土入れカバー』を使って、ビオコンテナに培土を約2/3まで充填
2. 『セルナエサポーター(被せ板)』を設置し、さらに培土を追加
3. 両ツールを同時に外すことで、植え付け用の穴が自然に形成されます
4. セルトレイから苗を取り出し、穴に植え付けてください
※複数の苗が発芽している場合は、スプリットソイルを縦に割くことで、それぞれの苗を無駄なく活用できます。
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培土温度に関する調査結果
近年の気温上昇に伴い、高温障害への懸念が高まっています。
そこで、プラスチック製容器と不織布製容器の温度比較調査を行いました。
• 上径15cm(約1.5リットル)のプラスチック容器と同形状の不織布製生分解性容器を用意
• 同量・同条件の培土を充填し、十分に灌水
• その後、容器表面および培土内部の温度を2時間ごとに測定
結果として、最大で10℃以上の差が見られる場面もありました。
※今回はコンテナ容器での比較ではありませんが、参考データとしてご紹介します。
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培土の扱いについての考え方
一部地域では、根鉢形成を目的として、培土を充填した容器の上に別の容器を重ねて体重をかける等、押し固める方法が採用されてきました。
しかし、この方法は排水性の低下を招き、生育障害の原因となることが指摘されています。
これはコンテナ苗栽培の初期に行われた研修会などで推奨された名残でもありますが、現在では多くの地域で見直しが進んでいます。
私は、「根鉢は根の力で自然に形成されるべきであり、培土を押し固めてつくるものではない」
と考えています。
ご意見・ご批判もあろうかと存じますが、あえて私の考えをお伝えいたしました。