現場レポート

防獣スクリーン

2021.07.14

挑戦・・・喰わせるもんか

7月7~8日広島県三次市へ。
コウヨウザンの植栽地です。
コウヨウザンは中国南部原産の常緑針葉樹。 日本へは江戸時代後期に渡来し、
林野庁が植栽を推進する早生樹の一品種です。そのコウヨウザン、野兎の大好物です。
野兎は繁殖力旺盛で1年で3~5回妊娠し1回に1~4頭(平均2頭)産みます。
幼獣は生後約1週間で自ら食物を食べ始め、約1ヶ月で巣離れし、約10か月後には性成熟し繁殖を始めます。
寿命は約4年、驚くべき繁殖力です。
可愛いウサギ、しかし、鹿と同様山林苗植栽の大敵です。
野兎に大切な苗を『喰わせるもんか!』と、製品開発を進めてきました。
森林総研・九州育種センター九州育種場ご担当者様の指導下、安価で、山野で生分解し回収不要の防獣スクリーンです。
この植栽地では、PPフイルムやネット(網戸に使用のネット?)製プラスチック製品と、弊社製生分解性不織布を縫製加工したものを施設しています。
PPフイルムやナイロン結束バンド、ネット等のプラスチック製品やイボタケ(金属パイプにプラスチックをコーティングした支柱)での設置は役目を終えた後、必ず回収しなければなりません。
プラスチックは、長時間紫外線に晒されると劣化しマイクロプラスチックやミクロプラスチックに姿を変え、川を通じて海に流れ込む恐れがあります。
その前に必ず回収し、適切に処分しなければなりません。
回収作業を省力化し、山野にプラ製品を放置するわけにはいかない、と製品開発を進めてきたのが生分解性不織布製の防獣スクリーンです。
支柱は竹や木杭を使用し、ステープラも使用します。
地球環境を汚染することなく役目を終えた後、徐々に地球に還ります。
すでに耐久性などは検証されていますが、克服すべき課題があります。 施業をいかに容易にするかです。
施業者の方々のご意見をお聞きし、その課題に対する製品開発のヒントを得ることができました。
現場には製品開発のヒントがあふれています。今、閃いています。
新たな製品を開発し、野兎との戦いで勝利を目指し挑戦を継続します。

7月8日
雨上がりの現場
ネット
筒状のPPフィルムとイボタケ
結束バンドで固定
防獣スクリーン(生分解性不織布と竹支柱)
設置指導
設置確認
コンテナ苗植栽の穴開け機
エンジン部約5㎏、ドリル部約6㎏
効率よく作業できるとのこと。
背負っての作業のため、エンジン熱で背中が熱く感じるようです。